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肺癌早期診のための末稍病巣擦過法
著者: 坪井栄孝1
所属機関: 1国立がんセンター放射線科
ページ範囲:P.1251 - P.1253
文献購入ページに移動 喀痰の細胞診は肺門近くの肺がんには早期診断法としての価値ももつている。しかし,末梢型,特に早期肺がんには診断率が非常に低く,その診断のためには直接病巣からがん細胞を採取する方法が必要である。従来,肺がんの擦過細胞診は気管支鏡下に行なわれるのが通例とされてきた。しかし,その対象は肺門付近のがんに限定され末梢肺がんには無力であつた。1957年千葉大肺研では選択的気管支擦過法を考案し,気管支鏡下の末梢肺がんの診断を可能にした。一般的には最近,心カテーテルを気管支鏡下に末梢へ挿入して分泌物を採取する方法がとられ,特にヨーロッパにおいてさかんに行なわれている。一方,1953年メトラが気管支造影のために独特の彎曲をもつ数種の気管支カテーテルを考案してからこのメトラ氏ゾンデを利用して気管支分泌物を採取して末梢肺がんの診断をする方法が行なわれるようになつた。
1954年私はこのメトラ氏ゾンデをとおしてX線透視下に図のような器具を末梢病巣に挿入してがん細胞を採取する方法を考案し,末梢肺がんの早期診断に成功した。
1954年私はこのメトラ氏ゾンデをとおしてX線透視下に図のような器具を末梢病巣に挿入してがん細胞を採取する方法を考案し,末梢肺がんの早期診断に成功した。
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