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EDITORIAL
神経病学のterminology
著者: 土肥一郎1
所属機関: 1中央鉄道病院内科
ページ範囲:P.1306 - P.1306
文献購入ページに移動 内科的神経疾患の用語は,他の分野と同じく新しい概念の発生―命名―混乱―約束による用語設定―この枠をはみ出す概念の発生という循環をくりかえしながら厳密な用語の数を増してきた。一度きめられた用語は内容をすりかえたり拡張したりしないで使用されることによつて地位を確立するが,日本語のもつあいまいさのために,われわれは話が通じなくなると外国語をひきあいに出してきりぬけることが少なくない。これはわれわれの外国語の底が浅く,概念と用語とが,せいぜいひととおりしか結合しないことも一因となつている。たとえば痙直と痙縮,硬直と固縮とが入り乱れるとき,前二者はspasticity,後二者はrigidityといいなおせば,内容はさしたる混乱なく把握される。
用語のなかには解剖学的部位の名称や,個々の機能の細目の表現のようなものから,疾患の命名のようなものまでのいく段階かがある。前者は約束でけりがつくことが多いが,後者はしばしば専門研究者を論争にまきこみ,圏外の人を途方にくれさせる。後者の場合病変の部位,性状,経過などを一般名で表現した命名,たとえば脊髄性進行性筋萎縮症というような場合はもつとも普遍妥当性をもつており,ある疾患にそのような名称を与えることによつて混乱が起こることは少ない。
用語のなかには解剖学的部位の名称や,個々の機能の細目の表現のようなものから,疾患の命名のようなものまでのいく段階かがある。前者は約束でけりがつくことが多いが,後者はしばしば専門研究者を論争にまきこみ,圏外の人を途方にくれさせる。後者の場合病変の部位,性状,経過などを一般名で表現した命名,たとえば脊髄性進行性筋萎縮症というような場合はもつとも普遍妥当性をもつており,ある疾患にそのような名称を与えることによつて混乱が起こることは少ない。
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