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今月の主題 水・電解質と輸液 疾患・病態での治療法
急性下痢症での輸液
著者: 小林健二1
所属機関: 1東海大学医学部内科学系消化器内科
ページ範囲:P.1888 - P.1892
文献購入ページに移動・コレラや毒素原性大腸菌(ETEC)の感染による下痢は分泌性下痢で,大量の下痢のため脱水に陥りやすい.このような患者への輸液は乳酸リンゲル液の投与が基本となるが,軽症から中等症の患者に対しては経口補液薬も有効である.
・旅行者下痢の原因菌として多いのはETECである.
・腸管出血性大腸菌(EHEC)感染の場合,抗生物質の投与により溶血性尿毒症症候群の発症率を高くすることが危惧されるため,同菌の感染を疑う場合,抗生物質の投与は推奨されない.
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