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医療はコミュニケーション
著者: 下正宗1
所属機関: 1医療法人財団東京勤労者医療会東葛病院
ページ範囲:P.416 - P.416
文献購入ページに移動一般的には,指示伝票という文書が発行され各部署に届くことで業務が発生します.中央診療部門では,この指示伝票の情報を読みとり適切な対応をとることを要求されています.検査部門では,検体と同時に届いた依頼伝票に沿って作業が進められます.放射線部門では,伝票を受けて検査の準備をして患者さんが撮影に訪れます.医師が配置されている場合には,それぞれに読影という作業が行われ,診断が臨床各科に提供されます.すなわち,骨髄所見と診断,免疫電気泳動所見と診断,遺伝子所見と診断,病理所見と診断,細胞所見と診断,放射線画像所見と診断などが臨床各科に提供されるのです.読影担当の医師は,直接患者を診察することなく,臨床側から提供された情報のみで診断までコメントするわけです.それぞれの工程のなかで「所見をとる」ことはそれほど困難ではありません.しかし,診断名とかかわるコメントを出すには,臨床情報が必須です.読影担当医の能力を最大限に発揮させるのは詳細な臨床情報です.決して占いのように「画像を見ればぴたりと当たる」世界ではないことを理解しておいてください.院内で相談できる体制がある場合は,ぜひカルテを持って診断医のオフィスを訪ねてください.報告用紙に記載されないさまざまな役立つコメントがもらえると思います.正しい診断をするためには医療スタッフ間のコミュニケーションは必要不可欠です.
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