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書評
今日の診断指針 第5版
著者: 川上義和1
所属機関: 1国家公務員共済組合連合会 幌南病院
ページ範囲:P.2108 - P.2108
文献購入ページに移動 先の第4版から5年の歳月を経て,責任編集者の一部,執筆者の全員が交代した第5版が出版された.第4版まで幾度か執筆に携わった者,つまりOBとして書評を試みてみた.OBという立場は基本的に後輩(第5版)に優しくはあるが,内情をよく知っている立場として厳しくありたい.しかし,結論から申し上げると,厳しく見つめても本書は座右の書として完璧に近い内容をもっていると思う.その理由をいくつか挙げて,読者の参考に供したい.
診断の基本的な目標は“正しい確定診断に至ること,それを正しい治療に応用すること”に尽きる.そのための工夫は本書の構成を「症候編」と「疾患編」に分けたことからはじまる.つまり,本書は症候から診断へのアプローチの仕方と,疾患からの攻め方の逆向き双方向から構成されている.症候編では,「症候のメカニズム」,「定義」,「原因」などから始まって,「緊急処置」にまで及んでいる.「診断のチェックポイント」は親切な項目であるし,「鑑別のポイント」も重要である.「どうしても診断のつかないとき試みること」は理論を踏まえながらも執筆者の経験に照らしたポイントが書かれてあって貴重であり,本書の目玉の一つであろう.筆者はこの項目の執筆に苦心した記憶がある.
診断の基本的な目標は“正しい確定診断に至ること,それを正しい治療に応用すること”に尽きる.そのための工夫は本書の構成を「症候編」と「疾患編」に分けたことからはじまる.つまり,本書は症候から診断へのアプローチの仕方と,疾患からの攻め方の逆向き双方向から構成されている.症候編では,「症候のメカニズム」,「定義」,「原因」などから始まって,「緊急処置」にまで及んでいる.「診断のチェックポイント」は親切な項目であるし,「鑑別のポイント」も重要である.「どうしても診断のつかないとき試みること」は理論を踏まえながらも執筆者の経験に照らしたポイントが書かれてあって貴重であり,本書の目玉の一つであろう.筆者はこの項目の執筆に苦心した記憶がある.
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