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文献詳細

雑誌文献

medicina40巻5号

2003年05月発行

カラーグラフ 手で診るリウマチ(5)

痛風結節,偽痛風

著者: 上野征夫1

所属機関: 1西村病院

ページ範囲:P.896 - P.897

文献概要

 症例は50歳代,白人男性.15年程前より,親指にこぶがあるのに気づき,それが次第に大きさを増してきて,ナイフ,フォークが持ちにくくなった(図1).血清尿酸値が高いため,リウマチ外来を紹介される.過去に痛風発作の既往はなく,また痛風の家族歴もない.外来にて結節表面の白色部分を削り取り鏡顕したところ,針状の尿酸結晶であることが判明した.結節は,手術的に成功裡に除去された(図2).

 痛風結節(tophus)とはギリシア語で“チョーク石”を意味する.1797年に,英国の医師・物理学者William Wollastonが,痛風結節が尿酸塩結晶の塊であることを証明している.痛風結節は関節滑膜や滑液包に沈着して大きくなり,すなわち関節周囲に生じる場合と,耳介やアキレス腱などの軟部組織に発生する場合とがある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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