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文献詳細

雑誌文献

medicina40巻7号

2003年07月発行

文献概要

カラーグラフ 手で診るリウマチ(7)

手根管症候群(carpal tunnel syndrome),乾癬性関節炎(psoriatic arthritis)

著者: 上野征夫1

所属機関: 1西村病院

ページ範囲:P.1250 - P.1251

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 手首の掌側,手根管部位で正中神経が圧迫されると,手指にしびれが起こる.正中神経は,母指,示指,中指,および薬指の橈側半分の感覚を支配する(図1).中年の女性に多く,症状は,朝方,手のしびれで目が覚めるというものが多い.手を少し振ると治ってくる.しびれは掌側のみならず,指先端の背側部に生じることがある.それは正中神経が,指背側,爪周囲の皮膚感覚をも支配しているからである.

 診断は,手根管で正中神経が通る部分を軽く叩くと,しびれが正中神経に沿って指先にまでひびくことから容易である(チネル徴候:Tinel's sign,図2).あるいは両手を90度に背屈,ないしは屈曲させて30秒~1分間待つと,同様に指先にジンジンとした感覚が現れる(ファレン徴候:Phalen's sign,図3).慢性化した例では,母指球が萎縮してくる.原因として,手根管を刺激圧迫する状態,すなわち手首の腱鞘炎,関節リウマチ,外傷,急激に体重が増えた,妊娠,甲状腺機能低下症によるムコ蛋白の沈着,痛風結節,アミロイド沈着などがある.また末端肥大症の30~50%に手根管症候群が現れる.そのうち最も多いのは,腱鞘刺激によるもので,手首の使い過ぎ,反復作業に従事している人にみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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