icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina40巻9号

2003年09月発行

文献概要

カラーグラフ 手で診るリウマチ(9)

CREST症候群の石灰沈着,小児皮膚筋炎(childhood dermatomyositis)の石灰沈着

著者: 上野征夫1

所属機関: 1寿生病院

ページ範囲:P.1606 - P.1607

文献購入ページに移動
 強皮症(sclerodermaあるいはsystemic sclerosis)には大ざっぱに分けて2種類ある.1つは,皮膚の硬化が指より始まり,次第に上行して四肢の遠位・近位,顔面から体幹の皮膚にまで及ぶもの.もう1つは,硬化性病変が四肢の遠位部に限られ,顔面皮膚も硬くなることがあっても,体幹部には病変が進行しないタイプである.前者を広汎型強皮症(diffuse scleroderma),後者を限局型強皮症(limited scleroderma)と呼ぶ.限局型強皮症では,しばしばCREST症候群と称される特異な臨床像を伴っている.CRESTとは,calcinosis(石灰沈着),Raynaud's phenomenon(レイノー現象),esophageal dysmotility(食道蠕動の異常),sclerodactyly(指硬化),およびtelangiectasia(毛細血管拡張)のおのおのの頭文字をとったものである.

 図1は,手のひらの皮膚毛細血管拡張を示している.毛細血管拡張の好発部位は,手,顔面,口腔,前胸部などである.口腔粘膜に出現している場合,Osler-Weber-Rendu病に似る.

 図2(UCLA, Daniel Furst氏提供)は,示指先端の皮下石灰沈着を示している(図2矢印).石灰沈着の最好発部位は手で,73~86%は手に認められ,しかも指先端の橈側部に多い.大きさは,点状のものから結節状のものまでさまざまで,沈着部位は皮下組織,関節滑膜,時に腱鞘である.また,皮膚の表面に露出してくることもある.組成はハイドロキシアパタイト(カルシウムリン灰石)よりなっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?