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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻1号

2004年01月発行

文献概要

今月の主題 高血圧診療のエビデンスと個別的治療―主治医の役割とジレンマ Controversy 脳卒中予防のために優れているのはACE阻害薬/ARBかCa拮抗薬か?

Ca拮抗薬の立場から

著者: 桑島巌1

所属機関: 1東京都老人医療センター内科

ページ範囲:P.116 - P.117

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Ca拮抗薬は,その確実な降圧効果と適応禁忌となる疾患が少ないことから,現在,わが国では最も広く用いられている降圧薬である.もともとは臨床の現場から,降圧効果が発見された薬剤であるがゆえにエビデンスに乏しく,かつての心筋虚血誘発を危惧する報告も一時みられたが,ALLHAT試験によってACE阻害薬や利尿薬と同等の心筋梗塞予防効果が確認されて以来,そのような非難もなりをひそめた.

 Ca拮抗薬の脳卒中予防効果を確実なものとして証明した大規模臨床試験はSyst-Eur試験である.本試験は,老年者高血圧症例4,695例を長時間作用型Ca拮抗薬群とプラセボ群にランダマイズして追跡した試験であるが,試験途中の2年目においてCa拮抗薬群の脳卒中予防効果が明らかになったために,2年間でランダム化試験は中止された.この時点での脳卒中発症は,実薬治療によって,13.7例/1,000人・年から7.9例/1,000人・年まで減少し,実に42%の減少を示した.本試験ではその後,オープン試験としてさらに4年間追跡した試験結果も発表しているが,やはり2年間のCa拮抗薬治療は6年後の予後も改善している.またSyst-Eur試験のサブ解析では痴呆の進展予防にも有効であるとの結果も報告している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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