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今月の主題 高血圧診療のエビデンスと個別的治療―主治医の役割とジレンマ Controversy 糖尿病合併高血圧患者にCa拮抗薬の第1選択は適切か?
肯定的立場から
著者: 羽野卓三1
所属機関: 1和歌山県立医科大学循環器内科
ページ範囲:P.122 - P.123
文献購入ページに移動RENAAL試験1)など糖尿病性腎症に対する最近のAT1受容体拮抗薬を用いた大規模臨床試験において,AT1受容体拮抗薬は腎障害の進行を抑制することが示され注目されている.これらの結果を受け,2002年の米国糖尿病学会の糖尿病治療のガイドライン2)では,ACE阻害薬がジヒドロピリジン系Ca拮抗薬より有用として,糖尿病に対する降圧薬からCa拮抗薬が削除され,ACE阻害薬やAT1受容体拮抗薬が使用できない場合に,非ジヒドロピリジン系の使用が認められているにすぎない.
しかし,大規模臨床試験においては,糖尿病合併例において,Ca拮抗薬の有用性を示す成績も多い.収縮期高血圧の患者を対象とし,カルシウム拮抗薬であるニトレンジピンを主に使用したSyst-Eur3)において,糖尿病群と非糖尿病群に分けサブ解析すると,治療群における到達血圧や降圧の程度は,糖尿病群,非糖尿病群でほぼ同じであるのに,糖尿病患者でより死亡率が減少しており,収縮期高血圧においても糖尿病における降圧治療の有用性が示されている.
しかし,大規模臨床試験においては,糖尿病合併例において,Ca拮抗薬の有用性を示す成績も多い.収縮期高血圧の患者を対象とし,カルシウム拮抗薬であるニトレンジピンを主に使用したSyst-Eur3)において,糖尿病群と非糖尿病群に分けサブ解析すると,治療群における到達血圧や降圧の程度は,糖尿病群,非糖尿病群でほぼ同じであるのに,糖尿病患者でより死亡率が減少しており,収縮期高血圧においても糖尿病における降圧治療の有用性が示されている.
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