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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 総論

はじめに

著者: 黒崎喜久1

所属機関: 1順天堂大学医学部放射線科

ページ範囲:P.6 - P.7

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放射線関連の画像診断というと,単純X線写真,CT,MR,超音波,核医学検査,などいろいろなmodalityがある.それらのなかで単純撮影をどのように位置付けているかは医師の世代によって異なるようである.画像診断を専門とする放射線科医を考えてみても,単純X線写真に対する姿勢は2大別される.一つは単純X線写真の意義を熱く語るタイプである.このタイプは一般にCTが導入される前に卒後研修を受けている年配者である.単純X線写真の意義を強調するあまり若手放射線科医師に煙たがられることもある.もう一つのタイプはCT,MR,超音波でトレーニングを受けた世代であり,単純X線写真への関心は決して高いとはいえない.放射線科以外の診療科の若手の医師も後者のタイプに属する.

 特殊な医療機関を除けば,普段実施されている画像診断検査のなかで圧倒的に多いのは依然として単純X線写真である.このように日常臨床に定着している単純X線写真が正しく活用されているかというと,疑問もある.検査伝票を書けば,予約なしで直ちに施行される簡便かつ安価な検査であるので,「単純X線写真で何が見たいのか?」という明確な目的を確認せずに,習慣的に単純X線写真のオーダーが行われていないか? 撮影された単純X線写真を丹念に読影して,その所見を誰が見てもわかるように診療録に記録しているか? 単純X線写真の結果が次に行うべき画像検査の選択や治療方針の決定などに適切に反映されているか? 読者には是非これらの点を一度チェックしてほしい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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