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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 頭部・頭頸部

頭蓋骨―MR・CT時代に知っておくべき単純X線撮影所見

著者: 小野由子1 西井規子1 阿部香代子1

所属機関: 1東京女子医科大学放射線医学教室

ページ範囲:P.18 - P.25

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正常解剖と撮影のコツ

 頭部単純X線撮影は,一昔前まで頭部の画像診断のなかで,まず最初の検査としてさまざまな病態を知る手段であった.MR/CTが一般的な検査法となり,頭蓋内の病変が容易に捉えられるようになって頭部単純X線写真のもつ意味が大きく変わってきた.単純X線写真の利用は,一つは外傷での骨折の診断を別とすれば,少なくとも単純X線撮影で病変の有無を評価するのではなく,骨変化や石灰化などから病変の性質や疾患の鑑別に利用することである.もう一つの大事な点は,CTで有用な情報を得るためのスライス断面の決定に利用することである.MR/CTとも,とにかく撮像すれば何らかの重要な情報は得られるが,手術あるいは内科的治療のために,病変の部位・範囲・性質をすべて表し,必要な情報を一度に全部引き出すことが一番効果的,経済的な方法である.そのために,特にCTでのsingle sliceの場合の撮像面の決定は単純撮影であるscout viewから行うわけであるから,頭蓋から見た脳構造の位置的関係を十分に理解しておくことがスライス像を理解することになる.

 MR・CTに対しての頭部単純X線像は正面側面だけでなく,場合によってはStenvers, Schüllerその他,従来からの撮影法が有用あるいは必要なことがあるが,ここでは誌面の関係から側面(図1),正面(図2)を基本として,Towne, Waterなどとりつきやすい画像のみに限って画像を供覧する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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