icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方

頭部・頭頸部

副鼻腔―単純X線検査の適応と限界

著者: 川波哲1 青木隆敏1 興梠征典1

所属機関: 1産業医科大学放射線科

ページ範囲:P.33 - P.41

文献概要

単純X線撮影の意義

 CT/MRIの普及した近年,副鼻腔領域における単純X線検査の精査的役割は従来と比べて減じている.しかし,その長い歴史と簡便性のため,単純X線検査は診断の出発点として現在も日常的に施行され,まだまだ臨床家にとっても馴染みが深い.副鼻腔領域の単純X線検査では,X線束の方向や骨同士の重なりに伴って生じる死角を減じるために複数方向の撮影を組み合わせるが,より詳細な検討が必要なときには,さらに次の診断ステップのCT/MRIへ進むべきである.適応や限界を踏まえて単純X線検査を適切に利用し,CT/MRIと上手に使い分けることは,無駄な検査を減らし,被曝低減や経済的利点にもつながるものと思われる.

撮影のコツ

 副鼻腔の単純X線検査には数多くの撮影方法があるが,通常はWaters撮影とCaldwell撮影もしくは側面撮影を撮影し,場合によってその他の撮像(軸位撮影,Rhese撮影,眼窩撮影,Towne撮影など)を追加する.重要な所見の一つである鏡面形成(air-fluid level)を見逃さないために,副鼻腔の単純X線検査は立位または坐位で行うのが好ましい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら