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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 胸部

無気肺―肺葉性無気肺を中心に

著者: 芦澤和人1 上谷雅孝1 林邦昭2

所属機関: 1長崎大学医学部・歯学部附属病院放射線科 2長崎労災病院

ページ範囲:P.62 - P.71

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典型的な症例

58歳,男性,扁平上皮癌.

 正面像(a)で,左上肺野内側に肺野濃度の上昇がみられるが,その外側の境界は不鮮明でありfade outしたような印象を受ける(後述する右上葉無気肺のX線像とは異なることに注目).肺門部陰影や大動脈辺縁はやや不鮮明であり(シルエットサイン陽性),横隔膜の挙上もみられる.側面像(b)では,大葉間裂は前方に偏位し前胸壁に対して平行である(矢印).

 経験の少ない医師にとっては,正面像のみでは一見肺炎と誤診される可能性がある(実際,前医では肺炎の診断で治療されていたようである).側面像で,無気肺のX線所見のなかで最も重要な葉間裂の偏位を確認することで,左上葉無気肺と診断可能である.なお,正面像で無気肺部外側の境界が不鮮明なのは,偏位した葉間裂がX線束に対して斜方向に走行するためであることがCTで理解される(c,矢頭).

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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