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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 胸部

肺癌―肺癌にみられやすい単純X線所見について

著者: 立石宇貴秀1 楠本昌彦1 荒井保明1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院放射線診断部

ページ範囲:P.124 - P.130

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典型的な症例

症例:77歳女性,検診で胸部異常陰影を指摘された.

所見:単純X線の正面像(図1a)で右中肺野にスピクラを伴う辺縁不明瞭な結節陰影を認める.肺門部,縦隔にリンパ節腫脹はみられない.また,胸水は認められない.

解説:典型的な高分化肺腺癌の所見である.スピクラ(図1b:拡大像,図1c:CT像)は棘状の辺縁を特徴づける所見で,肺実質内への浸潤か随伴する線維化を示す.結節陰影の辺縁は不整,分葉状,不明瞭,棘状などと表現される.これらの所見は確定診断の根拠になるほど信頼性はないが,悪性を示唆する所見となりうる.右上葉切除が施行され,中心に虚脱性線維性瘢痕を有する肺胞置換性増殖を示す高分化肺腺癌で,気管支を巻き込んでいた.


 肺癌における単純X線の読影は,多彩な陰影パターンの定義と非特異的所見により複雑な作業といえる.本稿では肺癌にみられる頻度の高い代表的な単純X線パターンについて,病理学的背景を踏まえいっそうわかりやすく呈示することに努めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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