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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 胸部

心大血管疾患―単純X線撮影でここまで読める

著者: 佐久間亨1 原田潤太1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学講座

ページ範囲:P.188 - P.193

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典型的な症例

 正面像(a)で心血管陰影の右縁上部は上行大動脈の狭窄後拡張のため突出している(矢印).左室の拡大がないため心左縁下部の張り出しはない.

 側面像では,心陰影の中央にリング状の石灰化を認める(矢印).この石灰化は大動脈弁の石灰化を示している.石灰化が著しいほど弁狭窄の程度が高いとされており大動脈弁狭窄を示唆する.狭窄に伴う圧負荷がかかるため求心性の左室肥大をきたすが,大動脈閉鎖不全と異なり,容量負荷がかからないため左室の拡張をきたさない.


 CT,MRI,超音波など各種の非侵襲的検査法の発達はめざましいものがあり,心疾患の画像診断法としても大きな役割を占めている.しかし胸部X線撮影はより簡便で,かつ肺血管,心大血管の形状,心房・心室などに関しての情報が得られ,いまだその重要性に変化はない.本稿では胸部単純X線撮影で知ることのできる心大血管系の異常に関して,代表的疾患の画像を紹介し,注目すべき点を挙げて解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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