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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方

胸部

乳腺疾患―マンモグラフィでここまで読める

著者: 遠藤登喜子1

所属機関: 1独立行政法人国立病院機構名古屋医療センター放射線科

ページ範囲:P.194 - P.202

文献概要

典型的な症例

【症例1】 脂肪性乳房の右乳房外上部に,楕円形の腫瘤が認められ,さまざまな長さと太さを示すスピキュラを伴っている.腫瘤の境界および辺縁を観察すると,スピキュラとスピキュラの間には微細鋸歯状の毛羽立ちが,腫瘤から皮膚までには幅のある淡い陰影増強が,皮膚には肥厚と引きつれが認められる.線維成分の豊富な,周囲組織に浸潤する典型的浸潤性乳癌の像である.

【症例2】 右乳房上部に陰影の増強と,糸ミミズのような石灰化が多数認められる.中には線状のみならず,分枝した石灰化も混在し,その幅も長さもさまざまである.また,周辺には,無数の非常に細かい不整形石灰化も認められる.乳管内癌の増殖・壊死による石灰化と判断できる.


 乳腺疾患の診断における単純X線撮影(マンモグラフィ)の役割は大きい.診療においてのみならずスクリーニングにおいても,2004年4月からは乳がん検診での中心的役割を担うものとして位置付けられている1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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