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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 腹部

腹部単純X線撮影―これだけは知っておきたい腹部単純X線正常像

著者: 稲岡努1 山田有則1 油野民雄1

所属機関: 1旭川医科大学放射線科

ページ範囲:P.204 - P.208

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腹部単純X線撮影の意義

 診断機器の発達,普及により腹部領域の診断において超音波,CT,MRI,核医学などの検査が容易に実施できるようになった.しかし,単純X線写真は急性期,慢性期の疾患を問わず腹部領域の診断において依然として重要な位置を占めている.単純X線写真は腹部全体を把握するのに適し,それのみで診断が可能なこともあるが,次に続く超音波,CT,MRI,核医学などの検査への道標として重要な役割を果たしている.また,CT,MRIを読影する際にも多くの情報を提供し,見返して初めて異常所見に気付かされることも少なくない.単純X線写真は,空気,脂肪,水,金属濃度から成り立つ画像であり,すべての異常を観察することは不可能であるが,そのコントラストの成因,正常X線解剖を学習し,常に意識しながら読影することにより多くの異常所見が拾えるようになる.

撮影のポイント

 腹部単純X線写真において最も基本的な撮影体位は背臥位前後方向撮影である.背臥位では腹厚が平均化し,腹部全体のコントラストが良好となる.また,腹部の臓器や腫瘤が後腹膜腔の脂肪を圧排し,辺縁をより良好に描出する.立位前後方向撮影を同時に撮影した場合には体位による所見の変化,移動を知ることができる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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