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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方

骨格系

骨折―見逃さないためのポイント

著者: 館悦子1 佐志隆士1

所属機関: 1秋田大学医学部放射線科

ページ範囲:P.274 - P.280

文献概要

典型的な症例

 13歳男性.左足の痛みがあり受診.部活動でテニスをしている.左足の単純X線写真では明らかな骨折線を指摘できないが,第3中足骨にわずかに骨膜反応がみられる(図1a,b矢印).

 MRIでは,第3中足骨骨髄および骨周囲の軟部組織の信号変化が明瞭に観察される(図1c~f矢印).スポーツ歴,部位,画像所見など典型的な疲労骨折である.

 骨折とは,外力によって生理的な骨構造の連続性が断たれた状態をいう.骨折の大部分は,患者自身が外傷を自覚し,骨折部の疼痛を訴えて受診する.診察で骨折が疑われた場合,最初に行われる検査が単純X線写真撮影である.単純写真で,ひと目でわかるような骨折は,診断することに限ればほとんど問題にはならない.しかし,微細な骨折や単純X線写真ではっきりしないような骨折の場合には,知識の有無により診断できるかどうかに差が出てくる.本稿では,骨折の診断・治療を専門としていない方々が,特にひと目ではわかりにくい骨折を診断するための一助となることを目標としたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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