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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方

骨格系

骨粗鬆症・骨軟化症―合併症としての骨折の有無を確認する

著者: 高尾正一郎1 上谷雅孝1

所属機関: 1長崎大学医学部放射線科

ページ範囲:P.294 - P.301

文献概要

典型的な症例

 全体的に骨梁は粗造である.両側大腿骨の彎曲(bowing)があり,左大腿骨頸部内側にLooser's zone (pseudofracture)を認める.骨盤骨や大腿骨の腱・靱帯付着部には過剰な骨化を認める.


 骨減少(osteopenia)は単純X線写真上,骨のX線透過性の亢進として認識される.単純X線写真で認識できる骨減少は30~50%以上の骨量低下で,軽度のものは診断が難しい.最近は骨量の定量評価(骨塩定量)が一般的に行われるようになり,単純X線診断よりも正確で信頼性のある診断が可能になっている.全身性骨減少の最も多い原因は,骨粗鬆症,骨軟化症,副甲状腺機能亢進症であるが,これらの診断は臨床所見で明らかなことが多い.したがって,単純X線撮影は,診断そのものよりもそれに伴う合併症の診断に重点が置かれるべきである.本稿では,骨粗鬆症および骨軟化症の基本的概念,特徴的なX線所見と診断のポイントについて論ずる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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