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特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 骨格系
変形性脊椎症,椎間板ヘルニア,脊柱管狭窄症,脊椎領域の骨化症―的確な治療方針を立てるために
著者: 辰野聡1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学講座
ページ範囲:P.302 - P.307
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明らかな誘因なく左前腕から示指~環指のしびれ感が6カ月前から徐々に増悪している.脱力はない.
頸椎正面像(図1a)で左C6/7椎間における鉤椎関節の退行性変化が疑われる(a:矢印).側面像(図1b)ではC4の下位終板,C5,C6の上下終板,C7の上位終板の牽引性骨棘形成(b:矢頭)が認められるが,椎間腔は正常に保たれ,椎前部軟部組織の厚さと脊柱管の前後径も正常範囲内で靱帯骨化もみられない.骨破壊性病変は認められない.左前斜位像(図1c)上,C6/7椎間孔はC7の鉤状突起部の骨棘形成(c:矢印)によって狭小化している.左C7神経根障害の原因として一致する.
中年以降では脊椎退行性変化の多くは無症候であり,画像所見は神経所見と一致して初めて有意となるが,本例では両者に矛盾がなく,これ以上の画像診断は行われなかった.
明らかな誘因なく左前腕から示指~環指のしびれ感が6カ月前から徐々に増悪している.脱力はない.
頸椎正面像(図1a)で左C6/7椎間における鉤椎関節の退行性変化が疑われる(a:矢印).側面像(図1b)ではC4の下位終板,C5,C6の上下終板,C7の上位終板の牽引性骨棘形成(b:矢頭)が認められるが,椎間腔は正常に保たれ,椎前部軟部組織の厚さと脊柱管の前後径も正常範囲内で靱帯骨化もみられない.骨破壊性病変は認められない.左前斜位像(図1c)上,C6/7椎間孔はC7の鉤状突起部の骨棘形成(c:矢印)によって狭小化している.左C7神経根障害の原因として一致する.
中年以降では脊椎退行性変化の多くは無症候であり,画像所見は神経所見と一致して初めて有意となるが,本例では両者に矛盾がなく,これ以上の画像診断は行われなかった.
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