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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻12号

2004年11月発行

文献概要

特集 臨床医必携 単純X線写真の読み方・使い方 骨格系

血液・造血器疾患と骨関節病変―単純X線写真から多くを読みとるクセをつける

著者: 篠崎健史1 藤田晃史1 杉本英治1

所属機関: 1自治医科大学放射線医学

ページ範囲:P.332 - P.339

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典型的な症例

 64歳,女性.頭蓋骨正面(図1a),側面像(図1b)にて頭蓋冠に境界明瞭,多発性,円形,辺縁の硬化性変化のない透亮性変化(punched-out lesion)を認める(矢印).また下顎骨にも同様の所見を認める(矢頭).40歳以上の成人で,このような所見を認めた場合,転移性骨腫瘍か形質細胞骨髄腫(多発性骨髄腫と形質細胞腫の総称)をまず考える.形質細胞骨髄腫は転移性骨腫瘍に比べて,下顎骨が侵される頻度が非常に高く,また大きさが比較的揃っていることが多い.

 本症例は60歳代,頭蓋冠,下顎骨の多発性punched-out lesionを認め,形質細胞骨髄腫(多発性骨髄腫)と診断された.


 骨関節疾患というと整形外科的疾患をまず思い浮かべるが,代謝疾患,内分泌疾患,血液疾患,その他多くの臓器や全身性の疾患に伴い変化が生じることを忘れてはならない.またCT,MRI検査が全盛であるが,簡便かつ安価な単純X線写真(以下,単純写真)から非常に多くの情報が得られる点は,胸部単純写真と同様であり,必ずCT,MRI画像と単純写真は比較しながら読影する必要がある.今回は,血液・造血器疾患の骨関節病変の画像診断について,腫瘍性病変と非腫瘍性病変に分けて解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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