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今月の主題 ミネラルと骨代謝異常と骨粗鬆症 骨代謝異常 【骨粗鬆症の診断と治療】―骨粗鬆症をどのように治療するか
骨粗鬆症治療におけるビタミンD
著者: 池田恭治1
所属機関: 1国立長寿医療センター研究所運動器疾患研究部
ページ範囲:P.2034 - P.2036
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栄養素としてのビタミンDの欠乏は,高齢者に多くみられ,骨折の危険因子とみなされている.ビタミンDの補充が骨折を減少させるとの報告がみられるが,メタ解析では確実な証拠とは結論づけられていない.
ホルモンとしての活性型ビタミンD作用不全の骨折への寄与は明確でない.活性型ビタミンDの骨に対する“薬理作用”は,骨吸収の抑制と相対的な骨形成の促進である.脊椎骨折に対しては,活性型ビタミンDの有効性を示す傾向にあるが,これも確実な証拠とはいえない.
現在用いられている1α(OH)D3あるいは1α,25(OH)2D3の場合,カルシウム作用の個人差が大きく,骨における治療効果にもばらつきが大きい.副作用を懸念することなく,十分な薬理量を投与できるようなアナログの開発が必要である.
栄養素としてのビタミンDの欠乏は,高齢者に多くみられ,骨折の危険因子とみなされている.ビタミンDの補充が骨折を減少させるとの報告がみられるが,メタ解析では確実な証拠とは結論づけられていない.
ホルモンとしての活性型ビタミンD作用不全の骨折への寄与は明確でない.活性型ビタミンDの骨に対する“薬理作用”は,骨吸収の抑制と相対的な骨形成の促進である.脊椎骨折に対しては,活性型ビタミンDの有効性を示す傾向にあるが,これも確実な証拠とはいえない.
現在用いられている1α(OH)D3あるいは1α,25(OH)2D3の場合,カルシウム作用の個人差が大きく,骨における治療効果にもばらつきが大きい.副作用を懸念することなく,十分な薬理量を投与できるようなアナログの開発が必要である.
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