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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻2号

2004年02月発行

文献概要

今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 超音波画像って何?

アーチファクトを征する者は超音波を征す

著者: 宮本幸夫1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学

ページ範囲:P.175 - P.182

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1. solid pattern, cystic pattern, mixed patternって何?

 超音波が最初に注目されたのは,囊胞と充実性組織とを比較的容易に鑑別しうるという点である.囊胞は内部に液体が入っているため,一般に音響学的には均一である.つまり,囊胞内部ではエコーが生じるような音響インピーダンスの異なる境界面は存在しないため,無エコー,すなわち真っ黒に表示される.これをcystic patternという.厳密には,cystic patternというためには,さらに2つの条件が必要となるが,これらに関しては後述する.一方,充実性組織では,前稿で述べたようなスペックルパターンが表示される.これをsolid patternという.われわれはアーチファクトであるスペックルパターンを利用して充実性組織を認識しているということになる.cystic patternとsolid patternとが混在して認められる場合をmixed patternという(図1).

2. Bモード超音波断層法の主なアーチファクト

 超音波断層像は組織の割面そのものとは異なる.したがって超音波像では,①本来組織として存在しないものが描出されたり,②本来組織として存在するものが描出されなかったり,あるいは③画像自体が歪んで描出されることもある.これらを総称して,アーチファクトと呼ぶ.アーチファクトをなくすことが,超音波装置を開発する技術者の目標になるが,診断をするうえでは,アーチファクトは必ずしも悪い結果ばかりをもたらすものではない.前述のスペックルパターンはその格好の例である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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