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今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー 〈肝(びまん性)〉
日本住血吸虫症
著者: 岸野智則1 森秀明2
所属機関: 1杏林大学医学部臨床検査医学 2杏林大学医学部第3内科
ページ範囲:P.206 - P.206
文献購入ページに移動本症の超音波像(図1)は,肝内に多発する網目状(network),亀甲状(turtle back),あるいは魚鱗状(fish scale)パターンと呼ばれる特異な高エコー帯が肝を分断することが特徴であり,これは肝内門脈の虫卵石灰化と線維化に起因する.B型肝炎ウイルスによる肝硬変でみられるメッシュ(mesh)パターンと類似するが,明らかな網目状構造を呈する点で鑑別される.この隔壁の間が低エコー結節様に見える場合があり,肝細胞癌との鑑別が困難になるため,CTやMRIの併用が必要なこともある.肝硬変に至ると肝縁の鈍化,表面不整,肝右葉の萎縮と左葉,尾状葉の腫大所見のほか,脾腫などの門脈圧亢進所見を呈する.
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