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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻2号

2004年02月発行

文献概要

今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー 〈肝(腫瘤性)〉

肝腺腫

著者: 丸山紀史1 松谷正一1 税所宏光1 菊池保治2 篠崎正美2 後藤信昭2

所属機関: 1千葉大学大学院医学院研究院腫瘍内科学 2沼津市立病院内科

ページ範囲:P.211 - P.211

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肝細胞腺腫(肝腺腫)は,肝の上皮性良性腫瘍に分類される.経口避妊薬との関連についてはよく知られ,欧米では同薬剤の普及に伴って増加の傾向にある.しかし本邦ではきわめて稀な腫瘍であり,その報告例も少ない.増大した腫瘍による圧迫症状や腫瘤触知によって診断されることが多いが,最近では,比較的小さな腫瘤として発見された報告例も散見される.本稿では肝腺腫の臨床像とその超音波所見について概説する.

1. 肝腺腫の臨床的特徴

 経口避妊薬や蛋白同化ホルモンの服用,糖原病,チロジン血症などが背景因子として挙げられる.20~30歳台の若年者に多くみられ,正常肝に発生することが特徴である.通常は単発であるが,糖原病に合併した例では多発例も認められる.腫瘍内へ高率に出血し,短期間で増大した例や破裂によって腹腔内出血をきたした報告例もある.また経口避妊薬の連用例や糖原病に合併した場合には,悪性化の傾向を呈することもある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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