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今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー 〈腎(非腫瘤性)〉
糸球体腎炎(腎不全)
著者: 宮本幸夫1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学
ページ範囲:P.245 - P.245
文献購入ページに移動糸球体は腎皮質に局在するため,糸球体腎炎では一般に腎皮質のエコーレベルは上昇し,皮髄コントラストが強くなる(図1a).腎皮質のエコーレベルとクレアチニンクリアランスは,おおむね相関するという報告もある.糸球体腎炎が進行すると,皮質のエコーレベルはさらに上昇するが,しばしば病変が髄質にも及ぶため,腎実質全体のエコーレベルは上昇するとともに,腎は次第に萎縮していく.なお,高度の萎縮を伴うケースにおいても,時に皮髄コントラストは保たれていることがあるが(図1b),糸球体腎炎の分類と皮髄コントラストとの関係は,今後の課題であろう.糸球体腎炎の診断と腎機能の評価において,超音波検査はきわめて有効であり,しばしば血液生化学検査にてBUNやクレアチニンの異常値を呈するよりも前に,超音波像にて異常を捉えることも可能であることは銘記されたい.カラードプラ法では,一般に腎の血流は低下する.なお,慢性糸球体腎炎に伴うネフローゼにおいても,超音波所見は同様であるが,低蛋白血症の程度と超音波像との関連は明らかではない.なお,腎アミロイドーシスや糖尿病性腎症においても,しばしば腎皮質のエコーレベルは上昇する.
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