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文献概要
今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー 〈消化管〉
巨大皺襞
著者: 宮本幸夫1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学
ページ範囲:P.272 - P.272
文献購入ページに移動経腹壁走査にて胃を捉える場合,巨大皺襞(giant fold)の有無を評価するには,胃体上部から窮隆部の超音波像が有用となる.同部位へのガス貯溜は胃壁の描出の妨げとなるため,そうした場合は左側臥位走査が有効となる.ガスが著明な場合には,飲水法が必要となる場合もある.巨大皺襞では,肥厚した皺襞が脳回様の構造として捉えられるため,比較的診断は容易である.わが国では,巨大皺襞が病的なものである確率は欧米に比して少ないが,胃癌(linitis plasticaなど),悪性リンパ腫,Ménétrier病(巨大肥厚性胃炎)などは同所見の鑑別診断として重要である.なお,肥厚した皺襞が十二指腸球部まで連続して認められた場合は,悪性リンパ腫を疑う.また,肥厚した脳回様の皺襞のエコーレベルがきわめて低い場合も悪性リンパ腫が示唆される(図1).
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