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今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー 〈腹部大動脈・その他〉
腹部大動脈瘤(解離性大動脈瘤を含む)
著者: 平井都始子1 大石元2
所属機関: 1奈良県立医科大学附属病院超音波診断室 2奈良県立奈良病院
ページ範囲:P.279 - P.279
文献購入ページに移動腹部大動脈瘤の超音波診断に際しては,瘤径,動脈瘤の範囲,壁在血栓の有無,動脈瘤周辺の血腫の有無,炎症の合併などの観察が重要である(図1).瘤の周辺に血腫形成が認められれば切迫破裂を示唆しており緊急対応を要する.大動脈解離の診断に際しては,解離の部位と範囲,エントリー・リエントリーの部位,解離腔内の血流状況,偽腔内血栓の有無,分枝動脈の血流状況に留意しながら観察する(図2).これらの観察にはカラードプラ法の併用が必須となる.真腔と偽腔の鑑別には,解離腔の形態,腔内の血栓の有無,収縮期での拡張状況が目安となる.すなわち,血管壁と解離内膜とのなす角度が鋭角である場合,腔内に血栓を認める場合は偽腔,収縮期に拡張傾向のみられる場合は真腔の可能性が高い.近年,ステントグラフト留置による治療が増加し,リークの有無の評価や瘤径の経過観察にも超音波検査が有用である.
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