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今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー 〈腹部大動脈・その他〉
静脈血栓・塞栓
著者: 平井都始子1 大石元2
所属機関: 1奈良県立医科大学附属病院超音波診断室 2奈良県立奈良病院
ページ範囲:P.280 - P.280
文献購入ページに移動超音波検査では,血栓の範囲,性状,表在静脈の血流状態,肺塞栓の危険性などを評価する.静脈血栓症では,急性期には血栓の存在する部位は,存在しない部位の静脈に比較して拡張して描出される.静脈内に血栓が充実エコーとして捉えられる場合もあるが,全く無エコーであることもある.しかし,圧迫しても静脈がわずかにしか扁平化しないことや,末梢をミルキングしてもカラードプラ法でカラー表示の得られないことから,静脈血栓症と診断できる(図1).下肢全体の深部静脈に血栓を認める場合,皮下浮腫や表在静脈の拡張がみられる.血栓が消退してくると,血栓周囲に血流の再開がみられる.慢性期の血栓はBモードで輝度が高く,石灰化を伴う場合もある.
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