文献詳細
文献概要
今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー 〈骨盤内臓器(子宮)〉
子宮留膿腫,卵管留膿腫など
著者: 佐久間亨1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学放射線医学
ページ範囲:P.288 - P.288
文献購入ページに移動骨盤内の感染は子宮頸部に初発し,子宮内膜,卵管に進展し,骨盤腔内に波及する.卵管,卵巣に達した炎症は,卵管の閉塞から卵管・卵巣膿瘍を経て,卵管留水腫が形成され,子宮においては内膜,頸管の癒着をきたし,子宮留膿腫となる.また腫瘤性病変により,子宮頸部の閉塞をきたした場合にも子宮留膿腫,子宮留水腫をきたすことがあり,これらの超音波像がみられた場合には頸部腫瘤性病変の否定が必要である.
超音波像では子宮留膿腫は拡張した子宮内腔に無エコー域として描出され,留水腫と留膿腫の鑑別は内容液の輝度を参考にする.卵管留膿腫は拡張,屈曲した卵管が,多房性囊胞性病変として観察される(図1).卵巣の腫瘍性病変との鑑別が困難な場合も少なくないが,ソーセージ状の長くくびれを有する囊胞や,不均一で比較的厚い壁,一部不連続となる隔壁を描出することにより鑑別が可能である.
超音波像では子宮留膿腫は拡張した子宮内腔に無エコー域として描出され,留水腫と留膿腫の鑑別は内容液の輝度を参考にする.卵管留膿腫は拡張,屈曲した卵管が,多房性囊胞性病変として観察される(図1).卵巣の腫瘍性病変との鑑別が困難な場合も少なくないが,ソーセージ状の長くくびれを有する囊胞や,不均一で比較的厚い壁,一部不連続となる隔壁を描出することにより鑑別が可能である.
掲載誌情報