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文献概要
今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 最新超音波技術のトピック
B-flowとcoded excitation
著者: 平井都始子1 大石元2
所属機関: 1奈良県立医科大学附属病院超音波診断室 2奈良県立奈良病院
ページ範囲:P.299 - P.299
文献購入ページに移動B-flowはBモードで血流を表示する新しい血流表示法で,超音波造影剤を使わなくても血流があたかも超音波造影剤を使用したように高エコーに描出される.従来のBモード法では血球からの信号は非常に微細であるため,ノイズに埋もれて血流信号は表示することはできず,血管内腔は無エコー域として描出されていた.B-flowはコード化されたパルスを送受信するcoded excitationと呼ばれる技術を応用し,赤血球のように微小な反射体からの小さな反射信号を効率良く,ノイズに埋もれることなく取り出し,かつ,静止している周囲組織からの信号を抑制することにより,Bモードにより血流の可視化を実現している(図1).
2. B-flowの特徴と臨床上の意義
B-flowは基本的にBモード画像であるために,カラードプラ法に比べて空間分解能に優れ,リアルタイム性の良い画像が得られる.また,超音波ビームと血流方向のなす角度に影響されないため,プローブと平行に走行する血流も良好に表示できる.したがって,血管壁と血流が高フレームレイトの画像で正確に描出でき,重度の狭窄性病変や1mm程度の内膜肥厚も捉えることができる.また,比較的速い血流から遅い血流まで同時に血管からはみ出しなく良好に描出できるので,動静脈奇形などの複雑な血管性病変の診断にも有用である(図2).
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