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文献概要
今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 最新超音波技術のトピック
ハーモニックイメージング
著者: 飯島尋子1
所属機関: 1東京医科大学第4内科
ページ範囲:P.300 - P.300
文献購入ページに移動日常臨床的に必要と思われるハーモニックイメージングについて概説する.
1. ティシュハーモニックイメージング
造影剤を用いないときのハーモニックイメージングのことを,一般的にはティシュハーモニックイメージングという.超音波を生体に照射すると組織内で非線形伝搬を生じる結果(海のサーフィンの波を思い浮かべるとよい),組織から散乱する,特に二次高調波を利用した超音波画像である.これは,従来の基本波の画像と比較してサイドローブなどのアーチファクトが低減し分解能が向上するため,特に胆囊などの内腔や腫瘍の境界が鮮明に見えるなどの利点がある.しかし,体表ではティシュハーモニックの成分が少なく,また肝臓の深部,脂肪肝などの場合には高調波が減衰するなどの弱点もあり,診断にはこれらを考慮して行う必要がある(図1a, b).
1. ティシュハーモニックイメージング
造影剤を用いないときのハーモニックイメージングのことを,一般的にはティシュハーモニックイメージングという.超音波を生体に照射すると組織内で非線形伝搬を生じる結果(海のサーフィンの波を思い浮かべるとよい),組織から散乱する,特に二次高調波を利用した超音波画像である.これは,従来の基本波の画像と比較してサイドローブなどのアーチファクトが低減し分解能が向上するため,特に胆囊などの内腔や腫瘍の境界が鮮明に見えるなどの利点がある.しかし,体表ではティシュハーモニックの成分が少なく,また肝臓の深部,脂肪肝などの場合には高調波が減衰するなどの弱点もあり,診断にはこれらを考慮して行う必要がある(図1a, b).
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