文献詳細
文献概要
今月の主題 腹部疾患をエコーで診る 最新超音波技術のトピック
三次元超音波
著者: 尾本きよか1 谷口信行1
所属機関: 1自治医科大学臨床検査医学
ページ範囲:P.302 - P.302
文献購入ページに移動1. 三次元超音波画像作製の手順
まず,探触子を手動走査または機械的にスキャンして多数の断層画像を取得する.同時にこの走査によって移動した空間的な位置角度情報を,磁場などを利用して収集する.これらの情報をコンピュータを利用して三次元座標変換し,ボリュームデータを作製する.そして,おのおのの表示法に従い,この三次元データを処理・加工して三次元画像を構築する.
2. 表示法の種類
医療分野で利用されているものは,サーフェスレンダリング法(図1)やボリュームレンダリング法などがあり,前者は取得した画像データのなかから,対象とする物体の表面を輪郭抽出し,二次元平面に投影して濃淡をつけた立体画像を表示する方法である.視覚的にも理解しやすいリアルな画像であるが,輪郭抽出などの処理が煩雑で画像構築に時間がかかる.後者は,取得したすべての内部の情報を加味して処理する表示法であり,対象物と背景とに輝度差がない場合には,漠然とした,めりはりのないぼやけた画像になってしまう.輝度閾値など,さまざまなパラメータを調整することで,サーフェスレンダリング法に近い立体感のある画像表示も可能であることから,近年比較的多く用いられている.
まず,探触子を手動走査または機械的にスキャンして多数の断層画像を取得する.同時にこの走査によって移動した空間的な位置角度情報を,磁場などを利用して収集する.これらの情報をコンピュータを利用して三次元座標変換し,ボリュームデータを作製する.そして,おのおのの表示法に従い,この三次元データを処理・加工して三次元画像を構築する.
2. 表示法の種類
医療分野で利用されているものは,サーフェスレンダリング法(図1)やボリュームレンダリング法などがあり,前者は取得した画像データのなかから,対象とする物体の表面を輪郭抽出し,二次元平面に投影して濃淡をつけた立体画像を表示する方法である.視覚的にも理解しやすいリアルな画像であるが,輪郭抽出などの処理が煩雑で画像構築に時間がかかる.後者は,取得したすべての内部の情報を加味して処理する表示法であり,対象物と背景とに輝度差がない場合には,漠然とした,めりはりのないぼやけた画像になってしまう.輝度閾値など,さまざまなパラメータを調整することで,サーフェスレンダリング法に近い立体感のある画像表示も可能であることから,近年比較的多く用いられている.
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