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文献詳細

雑誌文献

medicina41巻2号

2004年02月発行

文献概要

院内感染コントロールABC(2)

アウトブレイクの感知と予防

著者: 佐竹幸子1

所属機関: 1群馬大学医学部保健学科

ページ範囲:P.330 - P.332

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アウトブレイクとは何か

 ある疾病が一定の地域(例えば,ある病院やある病棟)において一定の率で発生し続けているとき,これをエンデミック(endemic:局地的流行,地方病的流行)という.一定の地域において同じ疾患が明らかに普通以上に多発し,しかもそれが共通の原因によって起こっているとき,これをエピデミック(epidemic:流行)またはアウトブレイク(outbreak)という.この「普通以上に」が重要であり,何を「普通」というのかは閾値(ベースライン)の項で説明する.

1. エンデミックとエピデミック(アウトブレイク)の区別

 院内感染発生率を求めるために日常のサーベイランス業務で分子としてカウントしている術後創感染や中心血管ラインに関連した菌血症などの院内感染の大部分は,散発的に起こっている出来事であり,エンデミックである.エンデミックの場合,病棟,診療科,感染部位,患者のリスク因子などを一定にした分母で院内感染の月間あるいは年間発生率を比較するとほぼ一定した値を示し,統計学的有意差はみられない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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