文献詳細
院内感染コントロールABC(3)
血管カニューレによる感染症
著者: 井上善文1 武澤純2
所属機関: 1日本生命済生会附属日生病院外科 2名古屋大学大学院医学系研究科機能構築医学専攻生体管理医学講座救急・集中治療医学
ページ範囲:P.534 - P.538
文献概要
栄養療法の選択とCRBSI予防対策の大原則
現在の本邦における栄養管理法の選択に関する問題点の一つは,中心静脈カテーテル(central venous catheter:CVC)を用いた高カロリー輸液(total parenteral nutrition:TPN)の濫用である.TPN施行の原則は,適応が経口・経腸栄養が不可能・不十分な症例に限られることであるが,本邦ではTPNが優先的に選択され,TPNが濫用されている傾向にあることが指摘されている.また,「TPN管理においてはCRBSIは避けがたい合併症である」,「CRBSIが発生してもCVCを抜去すればいい」,と安易に認識される傾向も指摘されている.TPNの適応を吟味して,適応外のTPN症例・CVC使用症例を減らすことがCRBSI予防対策の大原則である.
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