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聖路加国際病院内科グランドカンファレンス(5)
発熱を主訴に受診した,肺結核の既往のある73歳男性
著者: 蝶名林直彦2 那須英紀2 佐藤智也1 小野宏1 小林美和子1 堀田敏弘1 堀ノ内秀仁1 春日章良1 田口智博1 鈴木高祐1 岡田定3 負門克典4 横田恭子5 小松康宏6 松井征男7
所属機関: 1聖路加国際病院内科 2聖路加国際病院(呼吸器) 3聖路加国際病院(血液) 4聖路加国際病院(放射線) 5聖路加国際病院(感染症) 6聖路加国際病院(腎臓) 7聖路加国際病院(膠原病)
ページ範囲:P.1044 - P.1053
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佐藤(担当医) 症例は,73歳男性.主訴は発熱.プロフィールは,もと教師(国語・体育)でADL(日常生活動作)は自立.奥さんと2人暮らしです.
現病歴,既往歴などを以下に示します.
現病歴:2002年1月に喀血を主訴に紹介され,当院を受診.手足の多発性関節痛,腫脹,筋力低下,RA高値が認められ,関節リウマチおよびそれに伴う肺病変との診断で経過観察された.同年5月にも同様の喀血があり,気管支鏡にてリンパ球優位の淡血性のBALF(気管支肺胞洗浄液)を認めた.同年7月には浸潤影の出現を認め,TBLB(経気管支肺生検)にて肺胞腔内器質化像を認め,関節リウマチに伴う器質化肺炎と診断され,プレドニン®を1日30mgで開始.同年8月のCTにて陰影の改善傾向を認め,以降外来でプレドニン®を減量し,同年10月上旬には20mg/日まで減量した.しかし,10月28日に再び発熱と胸部X線上の多発空洞影が出現し,腎機能の悪化を認めたため精査加療目的に入院となった.
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