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病理との付き合い方 病理医からのメッセージ(7)
新医師臨床研修制度のなかでの役割―特にCPCレポートとの関連
著者: 鬼島宏1 加藤博之2
所属機関: 1弘前大学医学部病理学第二講座 2弘前大学医学部附属病院総合診療部
ページ範囲:P.1850 - P.1854
文献購入ページに移動以上の変遷を経て,2004年より新制度がスタートした背景には,旧臨床研修制度の下では,①多くの研修医(約70%)が大学病院に偏在し,出身大学(医局)関連の限られた診療科による研修を受けており,②幅広い診療能力が身に付けられる総合診療方式(スーパーローテイト)による研修を受けていた研修医は少なかった,という点が挙げられる.加えて,地域医療との接点が少なく,専門の診療科に偏った研修が行われ,「病気を診るが,人は診ない」と評されることもあった.多くの研修医の処遇が不十分で,研修に専念できない状況や,出身大学やその関連病院での研修が中心のため,研修内容や研修成果の評価が十分に行われてこなかったといった点も指摘されていた.
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