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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻10号

2005年10月発行

文献概要

「デキル!」と言わせるコンサルテーション 第10回

デキレジのコンサルテーション③腎臓系

著者: 香取秀幸1

所属機関: 1虎の門病院腎センター内科・医学教育部

ページ範囲:P.1872 - P.1875

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午後の外来中の専門医に研修医から電話があった

●研修医:「手術目的に入院した患者さんのことでご相談したいのですが」

■専門医:「今外来中だけど,急ぎの用?」

●研修医:「いえ,腎臓の悪い患者さんなのでどうしたらよいかご意見をお聞きしたいのです」

■専門医:「わかった,外来が終わったら病棟に行くよ」

(夕方病棟で……)

■専門医:「腎臓が悪いってどういうこと?」

●研修医:「外来の検査で蛋白尿・潜血が陽性です.どのようにすればよいでしょうか?」

■専門医:「尿の異常はいつから指摘されているの? 高血圧その他の合併は? 生化学データでは,低蛋白血症あるの? 腎機能はどの位? 尿蛋白は定量でどのくらい出ているのかな?」

●研修医:「エーッと,腎臓の経過については聞いていませんでした.蓄尿とクレアチニンクリアランス(Ccr)は検査中です」

■専門医:「じゃあ,今までの経過と検査結果がまとまったら教えてください」

●研修医:「はい,ついでと言っては何ですが,別の方でお聞きしたいのですが」

■専門医:「どんな方?」

●研修医:「食欲不振で入院された78歳の女性で,入院時血清クレアチニン(sCr)が1.2mg/dlと問題なかったのですが,点滴をしてもsCrが上昇してきているんです.血清カリウムも5.5mmol/lと上昇しています」

■専門医:「どうしてそちらをまずコンサルトしないんだ!」

 腎臓についてのコンサルトは非常に範囲が広いです.点滴・中心静脈栄養の指示から血圧管理,食事の処方,果ては血液浄化療法などの特殊な治療法まで腎機能障害はありとあらゆるところで問題となります.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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