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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

一般検査 尿検査

尿定性検査(尿試験紙検査)

著者: 菊池春人1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部中央臨床検査部

ページ範囲:P.32 - P.34

文献概要

 尿定性検査は試験紙を尿に浸して読み取るという「ディップ・アンド・リード」の形で簡便に実施できることで広く普及してきた.したがって,本稿では尿定性検査を試験紙での検査に限って述べていく.一方,試験紙で実施できる尿検査項目といっても,かなり多くの項目があり,以前より行われ,現在でもよく行われていると考えられる9項目について記す.項目数が多く,その意義もさまざまであるために,他の項目のフォーマットに対応させてまとめられる部分を表1とし,本文では総論的な事項,あるいは補足的な事項について記載することにする.なお,表1に測定原理を加えたのは,試験紙検査の結果に関連することが多く,結果の解釈の際に原理を理解しておくとよいものが多いためである.

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 尿定性検査に異常値が出現するメカニズムの理解の基本は尿産生過程の確認である.すなわち,尿は血液が腎糸球体で濾過された後,尿細管での分泌・再吸収を受けて成分が調整され,腎盂,尿管,膀胱,尿道を経て体外に排泄されたものであり,尿中成分の異常はこの過程のいずれかの段階の異常によって生じるということである.ケトン体,ビリルビン,ウロビリノーゲンは,尿の材料である血液中で増加することによって尿中に出現し,白血球,亜硝酸塩は主に腎盂以降での病変(感染)によって陽性となるが,蛋白,潜血,ブドウ糖,pHは複数の段階での異常が考えられるというように,検査項目によって尿産生のどの過程での変化を反映しているかは理解しておく必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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