文献詳細
特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集
一般検査 尿検査
尿沈渣検査
著者: 伊藤機一1 石渡仁深2 藤本美智子3
所属機関: 1神奈川県立保健福祉大学 2国家公務員共済組合等連合会横須賀共済病院中央検査科 3住友重機械保険組合浦賀病院検査室
ページ範囲:P.35 - P.40
文献概要
異常値の出るメカニズムと臨床的意義
尿は最低限の溶媒(水)に血液中の不要物質を溶かし込んだ成分と,腎~外尿道口で形成あるいは排泄された有形・無形の成分との集合体である.十分混和した尿を遠心管に10ml採り,500G・5分間遠心後,上清を除去し,沈渣量を0.2mlとする(必要であれば染色液を添加する).15μlをスライドグラスに載せ,カバーグラスをかけ,初め弱拡大(LPF:100倍)で,次いで強拡大(HPF:400倍)で鏡検する.一方,自動分析法は1ml弱の尿試料を遠心分離することなく(unspun urine)装置に吸引させ,2~3分で血球,上皮,円柱,細菌などを区分・定量分析する方法である.結果は従来法の定性的記載(x個/HPF) のほか,現在,世界標準となりつつある定量的記載(x個/μl) も行われる.
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