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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

文献概要

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集 外来でできる迅速キット検査

急性冠症候群

著者: 小川晃生1 福島正人1 清野精彦1

所属機関: 1日本医科大学第1内科

ページ範囲:P.64 - P.66

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 急性冠症候群の診療では,早期リスク層別化と初期治療判断が重要である.近年導入された新しい心筋生化学マーカーにより初期診断,リスク層別化,予後予測,治療評価などが可能になっている.現在,心筋壊死の生化学マーカーのうち外来でできる迅速検査はトロポニンT(TROP-T®),心臓型脂肪酸結合蛋白(H-FABP:heart type fatty acid binding protein, ラピチェック®),ミオグロビン(Cardiac Reader®)が挙げられ,急性冠症候群の早期診断に広く活用されている.

トロポニン測定の重要性と急性心筋梗塞診断基準の改訂

 ACC/AHAの急性心筋梗塞診療ガイドライン(1999年),および不安定狭心症・非ST上昇型心筋梗塞診療ガイドライン(2000年)では,初期診断と初期治療の重要性が強調され,生化学的診断法として,心筋トロポニンは,CK,CK-MBに比し感度・特異度が高いこと,簡便な全血迅速診断法が開発されていること,リスク層別化,治療方針の決定に有用であることなどから,救急外来triageへの活用が推奨されている.そして2000年9月には,急性心筋梗塞の診断基準が全面改訂(ESC/ACC)された.すなわち,生化学マーカーの第一選択はCK,CK-MBからトロポニン(TおよびI)に刷新され,トロポニン上昇により検出される微小梗塞(CK上昇2倍未満)や,微小心筋傷害を伴う高リスク不安定狭心症も,急性心筋梗塞として包括されるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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