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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液検査 血球検査

骨髄像

著者: 佐藤恵理子1 押味和夫1

所属機関: 1順天堂大学医学部血液内科

ページ範囲:P.86 - P.88

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 骨髄検査において異常値が認められる場合には,①骨髄造血そのものの異常(白血病,再生不良性貧血,悪性貧血など),②末梢血細胞の異常に伴う反応性の変化(溶血性貧血,特発性血小板減少性紫斑病など),③他の悪性疾患の転移,感染症,代謝性疾患に伴う蓄積病など血液疾患以外の場合があり,これらの状態では骨髄検査を積極的に考慮すべきである.

 骨髄の採取には2つの方法がある.1つは骨髄穿刺法による骨髄液の吸引採取で,①塗抹標本作製,②押しつぶし標本作製,③有核細胞数および巨核球数算定,④白血球表面マーカーの検索,⑤染色体検査,⑥遺伝子検査,⑦clot section(凝固・固定後の組織切片)の作製,⑧細胞保存を行う.もう1つは骨髄生検法による骨髄組織の採取で,①細胞密度,②線維化の程度,③癌転移などの腫瘍細胞の浸潤,④感染症の診断などに有用で,特にdry tapなどで吸引困難な場合は積極的に行う.成人の場合,前者は骨髄穿刺針を用いて胸骨または後上腸骨棘より,後者は骨髄生検針(Jamshidi針またはDawns針)を用いて後上腸骨棘より行うのが通常である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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