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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液検査 血球検査

FAB分類

著者: 佐藤尚武1

所属機関: 1順天堂東京江東高齢者医療センター臨床検査科

ページ範囲:P.92 - P.96

文献概要

 FAB(French-American-British)分類は血液造血器腫瘍の国際分類で,名称は仏,米,英の血液学者による共同作業として提唱されたことに由来する.最初に急性白血病の分類が発表され1),その後に骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)の規定など,数回追加・改訂された2~6).このほか慢性(成熟型)リンパ性白血病や慢性骨髄性白血病の分類も提唱されている.本稿では誌面の関係もあり,最もよく利用されている急性白血病とMDSについてのみ記す.

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 血液造血器腫瘍では末梢血や骨髄に多数の腫瘍性異常血液細胞,いわゆる白血病細胞が出現する.これら白血病細胞の形態学特徴から症例を分類し,治療方針の決定や予後推定に役立てようとする試みが従来から行われてきた.FAB分類はこの形態学を基礎とした分類法の一種である.それまであったさまざまな形態学的分類を国際的に統一すべく提唱されたもので,その後世界的に広く利用されるようになった.後に形態学の範疇を越えて新たな概念によるWHO分類が提唱1)されたが,FAB分類はこれにも大きな影響を与えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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