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特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集 血液検査 凝固・線溶系検査
PT(プロトロンビン時間)
著者: 福武勝幸1 香川和彦1 西脇圭子2
所属機関: 1東京医科大学臨床検査医学講座 2東京医科大学病院中央検査部
ページ範囲:P.97 - P.99
文献購入ページに移動異常値の出るメカニズムと臨床的意義
血液凝固因子の第II因子(プロトロンビン),第V因子,第VII因子,第X因子やフィブリノゲンの活性が単一あるいは複合して低下すると延長する.先天性の欠乏症・異常症や後天性の病態(肝の蛋白合成能低下による産生障害,ビタミンKの欠乏による修飾障害,当該因子への中和抗体の産生,異常蛋白産生による凝固反応の抑制,大量出血やDIC(播種性血管内血液凝固症候群)による凝固因子消費の亢進など)が原因である.この検査は外因系凝固因子または共通系凝固因子による凝固障害の存在をスクリーニングするのに有用である(図1).また,経口抗凝固薬(ワルファリン)投与や,ヘパリンなどのその他の抗凝固薬の投与でも延長し,ワルファリンの治療コントロールの指標として重要である.
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