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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液検査 凝固・線溶系検査

血小板凝集能

著者: 渡辺清明1

所属機関: 1国際医療福祉大学附属三田病院

ページ範囲:P.118 - P.119

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 血管が傷害されると,内皮下組織のコラーゲンが露出する.また,同時に血液凝固が活性化し,トロンビンが生成される.コラーゲンやトロンビンにより血小板は活性化され,ADP(adenosine5′-diphosphate)などが放出される.これらのコラーゲン,トロンビン,ADPは血小板の受容体に結合し,リン酸化機構やトロンボキサンA2合成などの種々の活性化機序を通じ血小板凝集を惹起する.最終的には血小板膜糖蛋白GPIIb/IIIaが活性化し,フィブリノゲンと結合し,血小板同士を架橋することによって凝集が生じる.これらのメカニズムの中で何らかの障害が生じると,血小板凝集異常がみられるようになる.例えば,アスピリンなどの薬剤はサイクロオキシジェネースの阻害をするため,トロンボキサンA2合成が抑制され,血小板凝集が低下する.また,膜糖蛋白GPIIb/IIIaが欠損する血小板無力症では血小板凝集が欠如する.

検体採取と取り扱い上の注意

 原則は空腹時採血である.鎮痛剤,Caブロッカーなどの薬剤の服用は検査に影響する.採血時間が長くかかると血小板が活性化し,測定に影響する.採血後3~4時間で測定すれば結果に影響が少ない.採血後の保存は22℃がよい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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