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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 蛋白

免疫グロブリン

著者: 北村聖1

所属機関: 1東京大学医学教育国際協力研究センター

ページ範囲:P.142 - P.144

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 免疫グロブリンは,B細胞が最終的に分化した形質細胞から分泌される蛋白である.抗体としての機能をもち,抗原抗体反応で中心的役割を果たし,液性免疫に最も重要な意義をもつ.臨床的に,免疫グロブリンの測定は,①液性免疫の機能をみる目的と,②形質細胞の異常増殖をみる目的に大きく分けられる.

 免疫グロブリンの異常低値には,先天的な免疫グロブリン産生機序の障害によるものと(原発性免疫不全症候群),他疾患に続発するものとがある.原発性のものの多くは幼少時より易感染性を呈する.原発性免疫不全症候群の種類によって全免疫グロブリンが低値を示すものと,特定の免疫グロブリンクラスあるいはサブクラスの産生不全を認めるものとがある.一部のウイルス感染や,薬剤や放射線照射により,後天的に免疫グロブリン産生システムが障害され,免疫グロブリンの低下をきたす.ネフローゼ症候群や蛋白漏出性胃腸症では,免疫グロブリンを含めた蛋白の体外への喪失が起こる.また骨髄腫においては,M蛋白以外の免疫グロブリンはその産生が抑制されて低値を示す.Bence Jones型や非分泌型では血清免疫グロブリンの低下のみが検出される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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