icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 蛋白

IgE,アレルギー特異的IgE抗体,アレルギー特異的IgG抗体

著者: 市橋秀夫1 東田有智1

所属機関: 1近畿大学医学部呼吸器・アレルギー内科

ページ範囲:P.152 - P.154

文献概要

検査の目的・意義

 近年,国民の30%がアレルギー症状を有する状況となっており,今後も増加の一途をたどると考えられている.アレルギーとは抗原抗体反応のうち病的なものを指しており,Ⅰ~Ⅴ型に分けられる.IgEが関与するのはⅠ型アレルギーで,即時型アレルギーともいわれている.その定義は好塩基球あるいはマスト細胞(肥満細胞)に固着したIgE抗体が抗原と反応することにより,それらの細胞より遊離されるchemical mediator(化学伝達物質)により惹起される生体反応とされており,生体が抗原に曝露された後,数分で発症し1時間程度で消失する.アレルギー疾患では,この抗原が特異的なアレルギー反応を引き起こすうえで重要な物質であり,抗原を特定することが診断と治療に当たる際に必要となる.抗原特定のために,in vivoでのプリックテストやパッチテストなどの皮膚テストや誘発試験,感度は落ちるが安全性の高いin vitroでのアレルゲン特異的IgE抗体の検出がある.代表的な疾患として気管支喘息アトピー型,鼻アレルギー,アトピー性皮膚炎などが挙げられる.またアレルギー疾患においては,アレルゲン特異的IgG抗体,特にサブクラスの1つであるIgG4抗体の関連性が示唆されており,減感作療法や長期間アレルゲンに曝露された際に増加するとの報告もある.

アレルギー特異的IgEの感度・特異度

 感度はRAST法で71%,CAP RAST法で94.2%,AlaSTAT法で71%.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら