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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 炎症マーカー

CRP(C-reactive protein)

著者: 髙橋伯夫1

所属機関: 1関西医科大学臨床検査医学科

ページ範囲:P.158 - P.159

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 細菌感染では著しい発熱を伴い,明確な炎症所見を呈することに一致して急性相反応性蛋白,なかでもCRPは著増する.典型的な例では感染した局所で細菌がリポポリサッカライド(LPS)を放出し,これが集積した炎症細胞を刺激してインターロイキン(IL)-6,IL-1β,IL-8や腫瘍壊死因子(TNF)-αの産生を促す.これらのサイトカインは肝臓に作用して,肝細胞でCRPを代表とする急性相蛋白を産生して血中に放出する.CRPの産生部位が肝細胞に限らず,その他の組織で産生される可能性も指摘されている.しかし,CRPの血中濃度を規定するのはほぼ100%が肝臓由来とされている.他方,炎症性サイトカインは中枢神経系に作用して脳内プロスタグランディンの産生を介するなどして発熱をもたらし,交感神経活動を亢進させて頻脈をきたす.このようにして,細菌感染はわれわれが知る典型的な臨床的炎症所見を呈することになる.

 このように,急性相反応蛋白は主に肝臓を産生の場とするために,肝障害では凝固因子やコレステロールと同様に産生が減少することが想定されるが,実際には肝障害の程度と正相関してCRP濃度の基礎値が上昇する.その機序としては,肝でのエンドトキシン処理能が低下するためにエンドトキシン血症を呈し,その刺激によって産生能が低下していても,持続的に比較的少量ながら急性相蛋白を産生し続けるためと思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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