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文献詳細

雑誌文献

medicina42巻12号

2005年11月発行

特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第7集

血液生化学検査 窒素化合物

尿酸

著者: 谷口敦夫1 山中寿1

所属機関: 1東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター

ページ範囲:P.165 - P.167

文献概要

異常値の出るメカニズムと臨床的意義

 尿酸はヒトにおけるプリン代謝(図1)の最終産物であり,主として尿中に排泄される.プリンヌクレオチドはde novo経路とサルベージ経路という2つの経路により合成される.プリンのde novo合成では11段階の酵素反応によりイノシン酸(IMP)が生成される.一方, サルベージ経路はプリン塩基から直接ヌクレオチドを合成する経路である.図1に示すHPRT,APRTがこの経路を担当する酵素である.体内のプリン体が分解されて生じるプリン塩基は,この経路でヌクレオチドとして再利用されることになるが,再利用されなかったものは異化されてキサンチンデヒドロゲナーゼにより尿酸に変換される.

 血液中の尿酸は糸球体でほぼ100%濾過されたのち,近位尿細管で再吸収あるいは分泌され,最終的に糸球体で濾過された尿酸の10%程度が尿中に排泄される.最近,近位尿細管に存在するトランスポーターであるURAT1が尿酸再吸収の中心的な分子であることが明らかになった1).以上の経路に何らかの要因が作用して,血清尿酸値の異常(高尿酸血症,低尿酸血症)が引き起こされる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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